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書店販売員による書評と日記

現役書店販売員が日記を書きながら書評を書きます。漫画好きなのでマンガ書評ブログになるかもしれません・・・。
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ドラえもん-藤子・F・不二男

ドラえもんは私が記憶する限り、絵本以外で初めて夢中になった本です。幼稚園のころでしたので、5歳くらいだったでしょうか。病院の待ち時間に母親がドラえもんの大長編「のび太の大魔境」を買ってくれたのでした。それまでは、スーパーにあった絵本(昔は良くスーパーの入り口のところに回転式のラックがあって、「桃太郎」「一寸法師」「ちび黒サンボ」などの正方形の形をした絵本が売ってましたね。)くらいしか読んでいなかった小さな私は、のび太の大魔境によって大きな世界の冒険というものを教えてもらいました。

のび太の大魔境は今読んでも十分にエキサイティングな物語だと思いますので、初めての本としては非常にすばらしいプレゼントを私の母親は与えてくれたんだと思います。この作品でドラえもんにどっぷりと嵌った私はまず大長編をすべて購入しました(当時は竜の騎士が最新刊でした)。

それから通常の単行本も買い集めるようになったのが小学校一年生くらいだったかもしれません。最初は値段は340円でした。それが360円に上がり、380円に上がり、390円となっていって、子供ながらに「何で値上がりしてんだろう?」と思いながらシリーズを集めました。39巻が最新でそこまで集めきったのは小学校4年生ころでした。

自分でもドラえもんの記憶に関してはよく覚えているな、というほど覚えているのですが、それだけ私の子供時代に大きな影響を与えています。もっとも、ドラえもんによって人格形成をされてきたといっても言い過ぎではありません。

藤子・F・不二男の世界はセンスオブワンダーだといわれますが、絶滅動物の「ドードー鳥」や「ニッポニアニッポン」「三葉虫」「カブトガニ」や地球の内部構造の「内部コア」「外部コア」の説明のイラストなんかは今でも克明に思い出せるほど、小さな私の好奇心を刺激しました。

漫画の神様といえば手塚治虫ですが、私にとっての神様は藤子・F・不二男でしたので、私が中学校の時に藤本先生が亡くなったのは大きなショックで、漫画への情熱が一気に冷めた瞬間でした。(当然漫画好きなのは変わりませんでしたが。)

まあ、ドラえもんがどれほどの影響を与えたかは言うまでもありませんが、日本の子供たちに大きな影響を与え、私と同じような感覚を持つ人にとっては死ぬときまで感性の一部に、ドラえもん、藤子・F・不二男の世界が残りつづけるでしょう。



ドラえもん(感動編)小学館コロコロ文庫
著者: 藤子・F・不二雄
出版社: 小学館
サイズ: 文庫
ページ数: 231p
発行年月: 1994年12月
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ブログアフィリエイトについて

ブログによるアフィリエイトを勉強しています。なかなか大きな収入にするのは並大抵の努力では難しいと実感していますが、趣味的なことで徐々に書き溜めているブログのアクセスが増えてくるのは楽しいものです。そこで副次的に収入になるのであればさらにやる気がまします。

ブログアフィリエイトのやり方はいろいろありますが、あまり意味のないブログを量産して広告収入を得る方法を実践している方が多いようです。実際はそういった方の方がたくさん稼いでいらっしゃるのかもしれませんが、自分のようなサラリーマンにとっては仕事が終わってから単純作業にいそしむのもつらいことです。

ブログを書くことが一日の疲れを癒す息抜きになっているので、私はこのスタイルで細々と続けていこうと思っています。

六三四の剣-村上もとか

六三四の剣(むさしのけん)は典型的スポコン漫画です。スポコン漫画とは、スポーツ根性の略で1960年代後半から70年代にかけて流行った漫画やアニメ、テレビドラマのことです。代表的な作品としては「巨人の星」「明日のジョー」「アタックNO1」「がんばれ元気」等です。

六三四の剣は、小さい主人公が強い憧れの父と一緒に剣道を志し、同世代のライバルたちとともに切磋琢磨しながら成長していく物語です。途中に挫折を経験しながらも目標にまっすぐ向かう姿は、星飛雄馬のように典型的なスポコン漫画の主人公といってもよいでしょう。

オーソドックスな作品というのは得てしてマニア気取りの人間にとって食指の動かないものであることが多いです。中学生時代の私もたくさん漫画は読んでいましたが、六三四の剣は名作として認識してはいましたが、なかなか読む気になれませんでした。

きっかけは、塾で大学生の先生が「漫画でページをめくるのがもどかしくなるような作品といえば「寄生獣」と「六三四の剣」だな」と何気ない会話で言っていたのを聞いてすぐにブックオフへ買いに行きました。

確かにこの作品はサブで出てくるキャラクターも魅力的で、主人公も強いだけではなく多少ドジなところもあって、すぐに感情移入してしまいます。それだけ作者の村上もとか氏の人間描写がうまいということでしょう。

梶原一騎は自身がアウトローだったからでしょうか、作品にもどうしてもある種の闇が表れています。その点、「六三四の剣」は暗い面もなく少年漫画の王道を行くような作品です。試合の時の描写も非常に魅力的で、この漫画を読めば剣道を始めたくなることは間違いないです。




▼第1話/修羅の剣▼第2話/六三四誕生▼第3話/六三四と岩手山▼第4話/ケンカか剣道か▼第5話/オラは日本一になる▼第6話/保育園のボス▼第7話/六三四はどこだ▼第8話/竹刀と小枝の大勝負▼第9話/父のツマヨウジ▼第10話/手二分に足八分▼第11話/六三四の初試合▼第12話/わたすは嵐子▼第13話/捨て身の片手打ち▼第14話/面すりあげ面▼第15話/おーい、岩手山▼第16話/母っちゃのバッケヤロ▼第17話/オラは宮本武蔵 他


セット内容:本10冊
著者名 村上もとか
文庫/各巻約440頁
発売日 2001/07/17
出版社:小学館

バクネヤング-松永豊和

バクネヤングは漫画好きなら知っているかもしれない、という程度の知名度だと思います。今でこそ、というか最近の漫画を読むと全体的にシリアスで暗い空気の漫画が増えてきているような気がします。世の中の経済のせいでしょうか?それとも漫画というメディアが成熟した故でしょうか?

主人公のバクネヤング(だったかな?)は超人的な強さと傲慢さを持ち、そして純粋です。ネタバレはしたくないのであいまいな表現になってしまいますが、純粋な悪です。その言動や行動からは狡猾さやどろどろとした欲望は感じません。見てるとだんだんかわいくなってきます。

バクネヤングは間違いなく記憶に残る漫画です。正義のヒーローものやあくのヒーローものでは決してありませんが、読んでいるときに感じるものはそれに近い、熱いものがあります。規格外の行動をする主人公をみて、社会性をもった自分には決してできない、大きな行動の疑似体験ができるからかもしれません。

時々、漫画やゲームに影響されて事件を起こしてしまう愚か者がいますが、私は作品には責任はないとする立場です。というのは当然同じように読んでも事件を起こしていない社会性を持った人間が大半だからです。反社会性を持った人間は何に影響されようが、時が立てばその腐った中身が表に出てくるのは防げないのではないでしょうか?

バクネヤングから話がずれてしまいましたが、私がこれを読んだ当時は18歳。その時の愛読漫画は「ドラゴンヘッド」や「寄生獣」などの世紀末漫画?でした。暗い漫画がとにかく好きでした。(こういったのも「若さ」の感性だと思いますが。)漫画好きかつ世紀末漫画好きにはバクネヤングははずせない名作です。



著者: 松永豊和
出版社: 小学館
サイズ: 単行本
ページ数: 742p
発行年月: 2000年11月

ますらお(秘本義経記)-北崎拓

「ますらお」は少年サンデーに連載していて読んだときはちょうど中学生でした。作者の北崎拓はそれまでサンデーに「ふ・た・り」を書いていたこともあり、恋愛もののイメージが強く残っていました。

私が中学生の時は漫画ばかり読んでいましたが、「寄生獣」「ドラゴンヘッド」「チャイルドプラネット」などが特に好きで、暗い世界観でシリアスな漫画に嵌っていました。

北崎拓の「ふ・た・り」は当時も流し読み程度に読んでいましたが、恋愛ものに食指が動かなかった当時の私にはそれほど印象に残っていません。そういったわけで「ますらお」も読み始めは面白いとも思っていませんでした。
絵に関しては既に洗練されていて、ストーリーも読みやすい漫画でしたが、どうも盛り上がりに欠けるような気がして、最終話まであっさりと読んで終わってしまいました。

しかし、連載が終了してから1年くらい経ってなぜか「源義経」の話が読みたくなり、ブックオフにて購入し「ますらお」を読んでみました。するとどうでしょうか。話はすべて読んでいるのでストーリーは分かっているのですが、非常に次のページが気になる。ページをめくるのがもどかしい。弁慶や三郎などの主人公の仲間たちにも感情移入してしまう。

連載時には私にとってどうでも良い漫画でしたが、単行本をすべて集めた時には何度も何度も繰り返し読む名作になりました。あれから既に10年以上経ちましたがまだ実家に保管してあります。どうでも良い作品から愛読書になるような漫画はこれまでこの「ますらお」くらいしか記憶にありませんが、当時14歳、人生で一番多感な時期。一年で感性がめまぐるしく動いていたのかもしれません。



著者: 北崎拓
出版社: 小学館
サイズ: 文庫
ページ数: 334p
発行年月: 2004年12月


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